牛さんが大変!?
卵価格の高騰きっかけでいろいろ鶏さんの窮状についていろいろ調べていた管理人。
そんな折、
知人から、「牛が大変らしいのよぉ!」というお話が。
ちらっとWeb記事などを紐解くに、過去最大の酪農氷河期と表現されることもあり、飼料や、資材の値段が高騰している中、赤字が膨らんでいる酪農家さんが出ているとのこと。
コロナまん延巣ごもり時期には”ミルクも~一杯”の呼びかけがされていたことは記憶にあったものの、
TBS NEWS DIG 2023年2月15日の記事では、”2022年6月に中央酪農会議によると、92.4%の酪農家が「経営が困難」と感じているという調査結果もある”と報じられており、
コロナショック後、学校給食が再開しても、物価高での食品買い控えなどで需要が戻りきらず、
収まらない円安からの飼料値上がりや、物価高での需要減など、2023年になってもまだ問題は消えていなかったのでした。
そして酪農家さんが所属している多くの地域で、減産協力の要請は続いているようです。
原因となったとされる、主な出来事
経営が困難になったのは、輸入だのみの飼料といったことがベースにある上に、減産で収入が減るという問題が積み重なっているのだということで、以下のような経緯が主に報道されておりました
2014年
バター不足発生で、全国のスーパーなどで品薄に。その後、業界を挙げて増産推進体制へ。
2020年
増産成果が出始めた頃にコロナまん延で大幅に需要が減った。
2021年~2022年
給食需要や、外食需要はある程度戻ってきたものの、
止まらない物価高で消費者は牛乳含む様々な物品を買い控えしてしまい、需要が戻りづらい状況に。
ウクライナ問題や円安により、輸入頼みの畜産飼料代が高騰
子牛価格も暴落(引き取り手が肥育コスト高で買い控えのため)
2022年冬
冬は牛さんがミルクをたくさん出す時期なるも、
物価高はまだ続いていて、消費者の食品買い控えは続く・・・
2023年
物価高による需要低迷は続くと予想→引き続き減産体制
自主取り組みや国の支援いろいろ
今回の円安、穀物相場上昇、物価高による消費減などの緊急対策としては酪農家、関係団体、農水省指導により
・生産調整として減産への取り組み
・商品提案や、呼びかけで需要を増やす取り組み
等の方向での支援が行われているわけですが・・・
中でも2022年冬の生乳余り以降、今年初めによく報道されていた国の支援策が、
”生産を抑制するために3月以降、乳牛を処分すれば1頭当たり15万円の助成金を出す”というもの。
22年度の補正予算に50億円分を計上し、2023年は、年間で最大4万頭の処分を見込んでいる”というもので、
”淘汰”や、”処分”という表現で報道されていることもあるので、管理人、初めて目にしたときはショック💦を受けたのですが・・・
※農水省のサイト内Q&Aコーナーによりますと、
鶏インフルエンザや口蹄疫、豚熱などのような、病気まん延防止として即時殺処分されてしまうわけではなく、”減産のため、乳牛さんとしての引退(肉用として出荷)を早めて減産に対応する酪農家さんへの支援”ということなのでした。
とはいえ、コロナ対策のごとく申請基準のハードルもあり、新入りの牛さんを導入してから、ミルクを出荷できるようになるまで3~4年はかかるので、申請するかどうかは悩ましいところのようです。
※農水省Webサイト: 酪農・牛乳乳製品に関するご意見お問合せについて (FAQ)
https://www.maff.go.jp/j/chikusan/gyunyu/rakunou_faq.html#saraQ1a
脱脂粉乳が山積み?
余ったミルクの調整弁として、乳製品会社さんや余乳処理業者さんは買い取った生乳を、日持ちがするバターと脱脂粉乳の形にして倉庫に保管することはできるものの、
コロナショック以来のなかなか戻らない需要で在庫が積み上がり、倉庫保管コストもかかり続け・・・
そして、消費が進まないまま、冬、牛さんからたくさんミルクが出る季節に突入💦
調整のために加工した在庫(主に脱脂粉乳)が積みあがった状況なため、買い取りできないことがあっても、
ミルクは毎日搾らないと牛さんが病気になってしまうため、
せっかく搾った生乳なるも、地域によっては農協などから生産抑制の協力を求められた場合は、生乳を廃棄(廃棄コスト負担は酪農家さんの場合もある)することも。。。
といった流れだったのでした。
酪農家さんに支払われる乳価の行方は・・・?
ミルクを生産している酪農家さんと、消費者さんの間の関係者さんの気持ちは、こんなかんじのではないかと思います・・・
酪農家さん(→農協→農協連→対メーカー交渉窓口の生産者団体さん):
「円安で高くなりすぎてしまった餌代補填など、様々な政府の支援(まあ、税金なんですが💦)はあるものの、資材や光熱費も上がってしまっているので、減産体制だけど、せめて売れるミルクの価格が上がってくれたらありがたいな・・・
乳飲料メーカーさん:
「酪農家さんに存続してもらいたいから、仕入れの乳価が上がるけど、価格を上げて応援したいところ。でも、売るときは、高くしすぎると、消費者さんが余計に買ってくれなくなるのも困るな。ここは商品開発努力しつつ、交渉して調整だな・・・」
小売店さん:
「物価高で消費冷え込んでるから、よけいに買ってもらえなくなるかもしれないし、なるべく値上げはしたくないけど、仕入れ値が上がれば、ある程度値上げもしなければ、だな・・・」
消費者さん:
「物価高で大変なのに、いつも買ってる牛乳が高くなるのは、なんかツライけど、飼料高も続いてるし、赤字でみんな辞めちゃったら手に入らなくなって困るしー。適正な感じの値上がりなら、ある程度は受け入れるかな・・・💦」
生ものなので流通にはたくさんの技術や設備が要るため、個別の酪農家さんから直販されることは少なく、一般的には、酪農家さん(→酪農生産者団体さん)と私たち消費者の間には、乳業メーカーさんや、小売り業者さんがいらっしゃり、各立場の合意で調整が行われるシステムになっているのだそうで、
酪農家さんの受け取る乳価は
酪農家さん(農協経由、酪農生産者団体さん)と乳業メーカーさんの間で
・生乳の需要と供給の状況
・市場の動向や経済状況
・乳業者と酪農家の経営状況
を考慮しつつ、基本的には年1回、双方の合意で行われる「乳価交渉」によって、年度ごとに合意できる着地点が模索されるとのこと。
今年度は、ついに乳業メーカーさんと酪農生産者団体さんの着地点として、ここは、酪農家さん存続のためにも、生乳価格を上げましょうという流れになったようです。
日経新聞(web)記事によると、酪農家さんの代表のような存在の一つ、ホクレン農協連合会は、対乳飲料メーカーさんとの交渉で、
今年2023年8月から過去最大の値上げ幅、生乳10円/kgの値上げ合意ができたことのことで、
他の関係団体の交渉結果でも、今年度はそれぞれ値上げが合意されていて、
やはり、今年2023年、管理人たち消費者に届く乳製品も、他の様々な品同様、値上がりしそうな雰囲気ではあります。
そして、国産カマンベールは、さらに小さくなるのかもしれません。管理人、一応そのまま買い続けるつもりですが💦
生乳廃棄はやっぱり悲しい
生産抑制しなくてはいけなくなっている中、
余るなら輸出したらどうか、とか、脱脂粉乳を海外援助に回したらどうかとか、国際条約で約束している乳製品の輸入は、減らせる部分があるのでは?とか、いつものルートではなく、生乳の販売先については、酪農家が自由に選択することが可能なはずだから、もっと直販で売ったら良いのでは?など、様々な提言があって、
管理人も、いちいち”それ、良いんでは~♡”と思ったりしたのですが、
直販の拡大もすぐ簡単に始められるものではなく、輸出や援助に関しても貿易相手国との関係悪化の可能性があるなど、なかなか一発解決できそうな方法は無いようです。
そして、
今までも需給が合わなくなって牛乳を廃棄することはあるにはあったそうなのですが、この度は
飼料始め運営コストも激増していて、副収入も子牛暴落で期待できないのに、さらに生乳出荷(=収入源)を減らさないといけないというのが、酪農家さんとしては余計に悲しいわけなのでした。
そんな中、特に大変そうなケースが・・・
円安、穀物高などで全国的に9割以上が困難を感じている状況とはいえ、
国産飼料と牛糞堆肥をトレードするなど、近所の農家さんとお互い協力体制を作っていたり、
自社で加工品製造までして付加価値の高いものを作って直販したり(花畑生キャラメル・・・みたいなことの小規模版?)、飼料の一部を自家栽培したり、いろいろ自衛の手段を講じてがんばっている酪農家さんの記事もあったりしますので、影響の大きさには、違いがありそうですが・・・
特に厳しそうなケースとして報道されていたものに、こんなストーリーがありまして。
・ 2014年のバター不足を機に、増産を果たすための取り組み推進が始まり、
・ 増産にあたって大規模化、省人化、効率化の流れを応援する政府補助金(半分)+長期借入金(半分)を使って事業拡大するべく、高額(普通に億越え・・・)の最新ロボット牛舎などを整え、
・まだ借入金返済中の状態の中、生産拡大投資の成果がやっとでてき始めたところで、飼料高や光熱費高などでコスト激増+需要減に応じるための減産で収入減+子牛価格暴落で、副収入減
「頑張って増産努力をして、ようやく成果が出てきたため、これからだ(投資回収を進められるな)、といった段階での突如の減産要請とは・・・」
確かに、2018年ぐらいまでは穀物相場が比較的安定していたり、為替も長らく円安といっても110円台/ドルぐらいまで、といった環境から、
昨年2022年は、為替だけを見てもあっという間に151円/ドルへの円安、さらに現在2023年5月現在でもまたまた140円台/ドルに達する展開となっているので、
・・・はるかなる”想定越え”ですね。
酪農は、のんびり草をはむはむするイメージだけの話ではなのだろうなー、とは思っていましたが、
これはもう、普通に・・・大きなリスクを負って大金を投入する経営の話💧だったのでした。
気づけば飼料自給率はずっと25%
円安と世界的穀物高でさらに注目されている飼料自給率。
1993年付けの、酪農関係誌への投稿コーナーでは、すでに飼料の輸入依存を心配する酪農家さんの記事などもお見かけしまして、
もう30年前には農水省、酪農関係者さんの間では将来的な国際穀物相場の上昇は予測されていたようで、
問題視はされていたものの、
1990年台から、飼料自給率は約25%で上下しつつも、ほぼ変わらずで来ていて、農水省資料などから、令和5(2023)年度予算では、令和12(2030)年度目標は34%です。
国産飼料作りはずっと促されてはいるものの・・・
ただ、為替の大きな変動や、輸入穀物価格の変動、国際的な混乱に強い体制にするために国産飼料を増産だ!ということで、
以前から国産飼料作りなどは促され続けてはいて、
緊急支援や取り組みとは別に、長期的には
・飼料自給率アップの取り組み
・酪農生産システムの強化
などをベースに、政府のいろいろな支援事業や補助金制度があり、
国産の飼料用作物に関しては様々な補助金制度の他にも、栽培技術向上を目指して2016年からは農水省農林水産省及び(一社)日本飼料用米振興協会主催で「飼料用米多収日本一コンテスト」というものも開催されたりもしています。
なるも・・・
農地の都合や農業人口の高齢化などもあって、あまり進んではいないようです。
多くの酪農家さんで長年ずっと収支が合っていたシステムを変えていくとなると、なかなか壁もありそうですし、(親子の方針の違いでもめているケースは多いのだとか)
飼料の自給率も飼料全体で令和3年/2021年度は、相変わらず25%なので、今後もまだまだ穀物の国際相場や、為替の影響の大きさは続きそうです(´・ω・)
もやもやが収まらなかった管理人、流行りの!?ChatGPTに、
「日本は1990年以降、飼料自給率が25%前後にとどまっていますが、政府の支援にも関わらず、自給率が上がらない原因はなんですか?」聞いてみましたところ、
かなり長文の、とっても真っ当なお答えが返ってきましたが、やはり、そもそも一定水準以上の質のミルクが、全国的にお手軽価格で、いつでもどこでも安定供給☆できるシステムを維持するためには、
現時点での農地や農業人口の状態では、今回のような異常高騰、異常円安にならない限り、輸入飼料を使うのが手っ取り早かったのかな、という気になってしまいました💦
読者のみなさま、Chatさんは日々進化しているらしいので、もやもやが止まらない方は自PCでさらに深堀り質問してみても良いかも、です。
一般的な酪農スタイルは輸入飼料とセットになりがち
いろいろ理由はありましょうが、いろいろな記事を参照するに、輸入飼料頼みのまま、ミルクの生産拡大してきた路線について、管理人が、わりと納得した説が、
現在大多数の酪農家さんで行われている飼養スタイルと、輸入飼料は、この超円安、穀物高同時進行が起こる以前は、とっても相性が良かったというものです。
2019年時点では日本の約7割の酪農家さんの飼養スタイルは牛舎につないで飼う、”つなぎ飼い”とのことで、
最も多く飼われている牛さんは、選りすぐられた遺伝子を受け継ぐべく、ほぼ
才能!?を発揮して、大量に良質のミルクを出してもらったり、栄養状態をキープして健康を保つためにも、栄養たっぷりのコーンなどの穀物を配合した飼料設計が必要なのだとか。
ハイオクしか使えない気難しい高級車のごとく!?配合を間違えるとミルクの量が減ったり、やせ細ったり、病気になったりするといったことに陥りがちになることから、
簡単に「輸入穀物高いから、代わりの草刈ってきたよー、これで我慢してほしいので、よろしく!」というわけはいかないようです。
余談ですが、調べていく中で知ったのですが、成長ホルモンは認可されていない日本ではあるものの、飼料に関しては、遺伝子組み換えは特に表示しなくても良いため、
管理人たち消費者、すでに遺伝子組み換え作物を・・・間接的にとはいえバンバン食べていたというのは、ちょっと衝撃でした。ただ、現状のシステムでは、そこを求めると食費が!!!になるので、引き続き日常ごはんではスーパーの牛乳さんにお世話になろうかと思います💦
酪農のいろいろな顔
思ったのですが。
一口に酪農家と言っても、「酪農家さん、て、いろいろなスタイルがあるのですね」と。
運営スタイルも、各酪農家さんのIT技術の活用度合、地域独自の取り組みや、支援制度などにも違いもあったりするため、とても多様化しているようで、
今のところ約7割の酪農家に採用されている、牛舎で常時つないで飼う、”つなぎ飼い”の他には、
牛舎の中で歩き回れる”フリーストール”や”フリーバーン”、牛舎全体が高度にロボット化された”大規模ロボット牛舎”、牛舎飼いだけど”時期により放牧”、国内には手で数えるほどしかないという、牛舎の無い”完全放牧”、
さらに、酪農コンサルタントさんや、酪農ヘルパーさんなど、新しい役割の人々や制度も登場していて、
“酪農家さんのワークライフバランスがとりやすいスタイル”なども生まれてきています。
遺伝子コントロール技術は爆速進化
繁殖に関する遺伝子の選別、活用は世界的にも盛んに行われていて、
日本でも、※今やゲノミック評価なる評価基準もあり、日本でも、長年主に、いかに1頭の牛さんからたくさんのミルクを生産するか、という方向から日々研究が進められてきており、
(※ゲノミック評価:2013年の秋より始まった、従来の推定育種価(EBV)にSNPというDNA情報を加えた新しい遺伝的能力評価)
今や優秀な遺伝子を受け継いでもらうべく選び抜かれた精子を扱う専門の業者さんや技術者さんもいて・・・
チャンスを逃さないために、発情を確認次第、即種付け、専門資格者さんにより、ほぼ100%人工受精で繁殖が行われるというシステム。
「高能力の牛群(え?ドリームチーム?)を計画的に整備できる可能性」 を求めて、今や、雄雌産み分け技術が登場したり、
ミルクを出すために妊娠が必須のホルスタインのお母さんのお腹に、高く売れるであろう和牛の受精卵を移植して、代理母していただくというところまで
1990年台から活性化したクローン技術に関しても、 1995年からは、受精卵クローン牛が累計350頭出荷されたり(今は流通していない)、さらに、
安全性に関する見解から商用出荷はされていないものの、1998年には、日本で成体のウシの体細胞を使った方法での世界初の双子クローン牛が登場、商用出荷はされていないものの、育成研究が続いているのでした。
もう、こうなったら、完全自然放牧の存在が神々しい・・・
※農水省Webサイト: 乳用牛の改良増殖をめぐる情勢https://www.maff.go.jp/j/chikusan/sinko/lin/l_katiku/attach/pdf/nyuuyougyuu-19.pdf
放牧で飼料自給率アップ?
農林水産省の資料では、総飼養戸数に占める経営内放牧の割合は約14~16%、公共牧場を利用している経営の割合は約34~38%で推移となっていて、部分的に放牧されているところも含めると意外とあるのだなという印象で、
( 公共牧場・放牧をめぐる情勢 令和4年8月
https://www.maff.go.jp/j/chikusan/sinko/lin/l_siryo/index.html )
生えている牧草を食べるなら、自給率アップにもなりそうです。
さらに完全自然放牧だと、その土地に生えた野シバなど=国内産飼料で、
牛糞もしっかり次の牧草の肥料となって、窒素も循環することになり自然にも優しい酪農なのだとか。
ただ、牧草だけを食べる完全放牧となると、今のところ日本には数えるほどしかないのだそうです。
うーん。まずは広い土地が要りますものね・・・
ではあるものの、消費者のニーズの変化もあって、昔よりはグラスフェッドバター、や、グラスフェッドビーフ♡なるものを求める声も聞くようになり、価値が見直されているこのごろなので、
(※グラスフェッド:グラス=Grass(草) フェッド=fed(~を餌として与えられた))
今後はもう少し増えていくのかもしれません。
新しい酪農スタイル?
一番よくあるタイプの飼養スタイルの酪農家さんに、経費高騰で困っているところが多いということは確かなようなのですが・・・
少数ながらも輸入飼料メインの牛舎買いスタイルに危機感を覚え、以前から独自にうまく近所の農家さんと連携して円安や飼料高対策を少しづつ構築し、なんとか輸入飼料高騰の嵐に巻き込まれにくいスタイルを模索している酪農家さんなどもいらっしゃったり、
牛の幸せ、持続可能性、経済的な収支になんとか折り合いをつけるスタイルを見つけてがんばっている方がいたり、
その他、政府が応援している※“6次化”の取り組みとして、酪農+いろいろな関連事業と組み合わせた事業体を作る、などという方向性で、
(※6次化=6次産業化とは、1次産業としての農林漁業と、2次産業としての製造業、3次産業としての小売業等の事業との総合的かつ一体的な推進を図り、農山漁村の豊かな地域資源を活用した新たな付加価値を生み出す取り組み。これによって農山漁村の所得向上や雇用の確保を目指す)
IT関係など、異業種出身だったり、ビジネス魂満々ながらも、牛愛(うしあい♡)も併せ持つ、(とはいえ、今の若いお方らしく、脂ぎったガツガツ感はないイメージですね~)若き参入者の方々もいらっしゃるようで、
とっても頼もしい感じがします!
Webでお見かけした新しい取り組みを進めている牧場さんのWebページと、新しい酪農関連記事など↓↓↓
放牧を取り入れている酪農家さん
さかもと農場 Webサイト
https://sakamoto-farm.com/
21世紀の酪農経営に取り組む酪農家さん
十勝しんむら農場 Webサイト
https://milkjam.net/
循環型酪農に取り組んでいる酪農家さん
高秀牧場 Webサイト
https://www.takahide-dairyfarm.com/
酪農×映像制作についての考察や、わかりやすい収支モデルを公開している酪農家さん
”酪農×動画マニュアル師”さんのnote
https://note.com/sfarm/
マイナビ農業 2020年4月記事「乳牛8頭でゼロから新規就農+多角経営! 資金調達を可能にした経営計画と地域への思いとは」
https://agri.mynavi.jp/2020_04_02_114448/
牛さんも、時代はSDGsで、アニマルウェルフェア(動物福祉)
鶏さん調べでも多く見聞きしたアニマルウェルフェア(動物福祉)、酪農の世界的流れも同じく進んでいて、
例えば、日本では一般的な牛舎につないだままの飼養方法だと、
歩かないことでストレスが溜まったり、餌を探す生理的欲求が満たされなかったりするため、病気にかかりやすくなったりするため、改善が望まれると。
そのような理由から、歩き回れる牛舎や、放牧スタイルが推される流れとなっているのだそうです。
ただ、
気弱な牛さん(自由行動にすると、気弱な性格のため、十分餌をゲットできない個体も出てきたりすることもあるのだとか)も、ボス牛さんの食べ物横取りなども気にすることなくしっかり餌を食べられて、常に集まっているので観察しやすいなどという利点もあったりするとのことで、まだまだつなぎ飼いが主流な日本。
この飼い方をベースに、いろいろなお世話の技術を磨いてきたり、機械化や、遺伝傾向のコントロールなどが行われてきたという酪農家さんの歴史もあるので、
いきなりスタイルを変えるのに抵抗があったりするのかもしれません・・・
とはいえ。管理人が若い頃は、動物福祉に配慮するという考え方は、なんだか過激にさえ聞こえていたものですが、
最近は牧場直販サイトなどもいろいろできてきて、動物福祉についての配慮の元で育てられました!という品が人気化していたり、
ナチュラル志向の人々の間では以前から有名な、なかほら牧場の牛乳や、想いやりファームの生乳などは、もともと小瓶1本400円~でも、納得のお味で、ますます人気だったりします。
以前テレビで紹介されたりして、すっかり有名になったなかほら牧場さんですが、全国に志を継ぐお弟子さんがいらっしゃるとのことなので、さらに広まるといいですね♡
〇長年ブレずにアニマルウェルフェア重視だった熟練の酪農家さん
牛乳ではない、「生の乳」を送り出し続けている牧場
想いやりファーム Webサイト
http://omoiyari.com/
アニマルウェルフェア認定農場第一号でもある、山地(やまち)酪農の牧場
中洞(なかほら)牧場 Webサイト
https://nakahora-bokujou.jp/
〇これから増えるであろうアニマルウエルフェア重視の牧場などを認定する協会もできてました☆
一般社団法人アニマルウエルフェア畜産協会 Webサイト
https://animalwelfare.jp/
(認証農場が一覧できます。さすがに北海道が多いですねw)
まとめと感想
今回、酪農情報知りたい~、ということで、Web情報を中心に、例によってYoutubeなどの動画も見てみたわけなのですが。
まとめると、
〇本来生もので、日持ちのしない牛乳や乳製品が、いつでもスーパーに衛生的で買いやすいお値段で並んでいるという状態を保つために、様々な人が関わって、相互の微妙な調整をし続けている。
〇以前、2016年にも為替相場が円安に傾いて(120円台/ドル)採算が取れなくなって辞めていかなくてはならない状態が発生したが、今回はそれを超える急激な円安、さらに穀物価格上昇や、大きな社会変動からの需給のバランス崩れでそれ以上の危機(泣
〇酪農は全体的に輸入頼みの飼料をベースにしたシステムで進んできているので、今回の問題で、さらに問題視されている。
〇とはいえ、為替レートや、国際穀物相場が落ち着いているころには、うまく利益が出せていた経験上、従来のスタイルを変えるのも苦しい💦という親世代と、これからの酪農を模索する跡継ぎ世代は、話が合わないケースもあって、なかなか変わるのにはパワーがいる模様
〇一方、大量生産、大量消費が行き過ぎて、ニーズに応えつづけた結果、動物さんへの配慮が失われ過ぎた感があり、エネルギー循環を考えないシステムは環境破壊にもつながるため、世界的にアニマルウェルフェア(動物福祉)や、サステナビリティ(持続可能性)への配慮が必要という考え方が広まりつつある
〇生産者は、売りたいという面だけでなく、消費者が求めるものに応えるという面があるので、消費者の求めるものが変わると、今後は変化していくかも
といったことなのかなと。
いろいろ参照するにあたって、
動画も見てみましょう♪と、「酪農」「牛飼い」(”牛飼い”だと、肉牛系がほとんどですが、乳牛さんもあります)などで検索してみると、なかなかキビしめの動画もたくさん上がってくるのですが、中にはかわいい牛さんの動画もあったりして、しばらく牛系動画の沼にハマっておりました。
いろいろなご縁で都会からの移住することになり、今やしっかり落ち着いて酪農を頑張っている若夫婦や、
休む時間も少ないお仕事ながら、苦労だけではなく喜びもあるのです!!と、忙しい中、酪農生活の様子や、知識を発信されているベテラン酪農家さんのチャンネルなどを見ていますと、
家族毎にいろいろなストーリーがあって、感動することもしばしば・・・
牛さんの窮状について知りたいと、いろいろ調べてみたわけなのですが、
少数派ながらいろいろな所で牛さんの体の負担、酪農家さんの体の負担、心の負担が軽くなる試みを始めている酪農家さんが現れてきているので、
もっと安く、たくさんの牛乳を追求するあまり、牛の健康が損なわれがちになったり、寿命が短くなったりしている現状から、
なんだかいい方向に向かい始めているのかも・・・
ただ、いずれにせよ、他の農業、畜産と同じく、生産性を上げるにはそれぞれの飼養スタイルに合った高い技術が必要で、
たくさん勉強して臨んでも、始めのうちは何頭も死なせてしまったりすることもあるという厳しい世界ではあるので、
とりあえず管理人、消費者の一人としては、
感謝して、今まで通りの量の牛乳を飲む、ということで応援したいな(まあ、結局それぐらいしかないわけなのですが(;’∀’))と、思うのでした。
※農水省のYoutube(おもしろ系)動画BUZZMUFF(ばずまふ) 「牛乳担当に今の酪農の状況について色々と聞きました。」によると、需給バランスが整うための量は、日本の一人ひとりに換算すると、“月に”コップ1杯程度なのだそうですので、ほんのりクリームシチューの回数を増やしてみるか~、というアプローチでもよさそうですw